創作中の物語『夜明けの続唱歌』のお話…ではあるのですが、
イラスト制作における「無償の手伝い」に苦労した経験談も合わせてお届け。
ざっくり言うと、しくじりましたが、いい勉強になりました、というお話。
(2012,07,29)アダム・シデンス
長く放浪の旅を続けてきた男。故郷を焼いた戦火を嫌っている。
「イラスト制作の手伝い」という名のしくじり
長年、よそのゲーム作品の手伝いで描いていたキャラクターの納品が済み、
『ようやくこれからは、自分の創作(夜明けの続唱歌)に集中できる』 と奮起して、
このアダムからは人物の全身を描くようになりました。
しかし実際には、それ以降も先方から「追加注文」がさまざまにありました。
そのつど、納品してはまた新規の注文が追加される、という繰り返し。
そういった状況に、長期的に置かれることになりました。
当初は「イラストまわりの手伝い」として参加していました。
気軽に、ちょっと描いてみてもらえませんか、という具合。
特別、ボランティア精神があるとは思いませんが、誰かに喜んでもらえるというのは、私がなにかものを作るときの大きな動機になります。
役に立てるなら嬉しい、という単純な動機ですね。
しかし、それがしくじりの原因を生みます。
イラストまわりの手伝いとして数点、絵を描いたところがはじまりでした。
その後、終わりの見えないマラソンが数年続くことになるとは思いもよらず。
私はいつの間にか「サークルの一員」としてあつかわれるようになっており、Skypeを用いた制作会議や、突然かかってくる電話で、たびたび長時間拘束されることも少なくなく、やがて私的な時間をほとんど費やすような状態になっていました。
「疲弊を理由」に距離を置く期間を申し出て、一度は受理されました。
しかしその後も、相談や確認ごとなど、なにかと理由をつけては頻繁に電話がかかってきたりして、そのたびに制作に引き戻されます。
自覚はなかったのですが大きなストレスになっていたらしく、電話に出ても言葉がうまく出てこないような状態に陥っていました。
その状況から解放される道として、結局は手伝いを優先し、継続せざるを得なくなりました。
「手伝っているこの作品が完成すれば解放されるはずだ」と考えてしまったのです。
無償の手伝いなので、実際にはなんの誓約もなかったのですが、
『一度引き受けたことはやり遂げる』
私のこの個人的な信条が、私自身を縛る足枷となってしまいました。
このころには『絵を描くことを苦痛に感じる』ようなことが、しばしば起きるようになっていました。
過去に「仕事が忙しくて集中して描けない」という時期はありましたが、それまでの人生で、『絵を描くことが苦痛だ』と感じたことは一度もなく、自分でも驚き、動揺したことを覚えています。
そんなはずはない、と考えてしまったために、その後も無理をしてしまったのかもしれません。
とにかく、長く苦しい時期でした。
『夜明けの続唱歌』関連の前回の記事はこちらからどうぞ!
『夜明けの続唱歌』については、こちらの記事も合わせてどうぞ!
それでは今回はこのへんで!
最後まで読んでくださってありがとうございます(´ω`)