2013年の絵より、厄介そうなモンスター。
「オリジナルモンスター」を描くときに忘れがちなこと、について。
(2013,01,17)パトゥルフェーツェ
見るからにヤバそうなモンスターです。
あの並んでる顔はなんなの? ラシュモア山(※)なの?
ラシュモア山ではないです。
……さて、このモンスター。
実は当時手伝いをしていたゲーム作品のために描いたボスキャラでした。
ボツモンスターとなってしまったのですが、個人的にはわりと気に入ってます。
とある事情があり、これまでその手伝い作品に関するイラストは私のほうで一切、公開はしていません。
ただし、この絵に関しては未使用のボツモンスターですので、今回蔵出ししようと思います。
依頼があったとき、以下の要素が伝えられました。
- ラストボス・モンスター。
- サイドビューなので横向き。
- 戦闘中に4種の属性変化をし、弱点が変わる。
- 人が変化してこの姿になる。
作品のラストを飾る大勝負。
色味的な派手さも、いかにも強敵そうな容姿も必要だろう、と考えました。
RPGツクール制作でドット絵による表現でしたので、わかりやすさも重要だと考えました。あまり複雑な表現をしても、視覚的に伝わらなければ効果が薄いと思ったわけです。
人が変化する姿ということから、理性を飛ばして凶暴さを剥き出しにした姿がいいだろう、と獣らしさが全面に出ました。
ゴージャスな感じを意識することで、そこに翼が生えました。
もとは人間、ということで「手」には人の名残を与えました。
残るは4種の属性変化。
ゲーム作品では、体色が変わることでそれを表現する場合もあるかと思います。
でも、もっとわかりやすくしたい。
そこで胸部に「喜怒哀楽」の顔をつけることにしたのです。
メインとなる顔が眼を見開いたり、口を動かすことで、属性変化を表現するというのはどうだろうか、と考えてのことでした。
ドット絵でもわかりやすいように、それぞれを特徴的な色にしました。
結果的には「もっと無機質な感じにしてほしい」とリテイクがあり、ボツモンスターとなりましたが、いろいろと想像し工夫をする時間は有意義なものとなりました。
普通に生活していると「架空の生物を考えよう」などとはあまり考えないのかもしれません。
滅茶苦茶に描いて「クリーチャーだ」ということもできなくはないでしょう。
しかし、練ってみる時間は愉しいものです。
どんな動きをして、なにを食べ、どうやって排泄するのか。
どんな姿勢で寝るのか、毛繕いなどの行動や癖はあるのか。
そこまで考えるの?
と質問されることがありますが、考えるべきだと思います。
架空とはいえ、生物ですからね。
余談ですが『ドラゴンボール』の作者、鳥山明先生がメカをデザインするときは、どこに動力(エンジン)があって、配線はどのように繋がっていて、というところまで考える、というお話を以前読んだ記憶があります。
だから実在しない機械がリアリティをもって作中に登場するんだな、と妙に納得しました。
架空の生物を生み出すときは、派手な設定だけでなく、どうやって「生きているのか」という点についても、考えてみてください。
きっと新たな魅力がつけ加えられることと思います。
『夜明けの続唱歌』関連の前回の記事はこちらからどうぞ!
『夜明けの続唱歌』については、こちらの記事も合わせてどうぞ!
それでは今回はこのへんで!
最後まで読んでくださってありがとうございます(´ω`)