創作中の物語『夜明けの続唱歌』より。
今回から2013年の絵になります。
物語に「身分の高い人物」を登場させるときに意識すること、について。
(2013,01,14)アルガンティア・フェステン=ドーラ
籥委国(フェステン=ドーラ)の王女。隣国との緊張が高まるような情勢のさなか、思いつきで政事に関わるような決定をくだす父王に困り果てている。
ファンタジー作品の場合、物語に王族や領主などを登場させることは少なくないでしょう。
主人公自身が王子や王女だったり、あるいはその身分を隠し、民衆のなかで問題を解決したりするお話もよくあります。
時代劇などでも、よくありますよね。
単純に、憧れを求めて登場させる、ということもあるでしょう。
しかしそれとは別に「身分の高い人物」は、物語において役割を担う場合が多いと思います。
- 「○○を解決してほしい」
- 「○○を取ってきてほしい」
- 「○○に行け」
- 「○○を捕らえよ」
などなど、身分が高いゆえに、命令や指示、つまり強制力の強い依頼ができるわけです。
帝であれば勅命を与え、有無を言わさずどんなものよりも優先せねばならない「課題」を授けることもできるでしょう。
主人公が「どんなに嫌でもやらなくてはならないこと」を押しつけられる。
その困難が物語を大きく動かし、主人公がどのように解決するかが、物語の根幹となっていくわけです。
それは現実に置き換えると、親や教師、職場の上司や社長など、社会で向き合うことになる問題と、少なからず重なるものがあるのではないでしょうか。
どんなに嫌でもやらなくてはならないこと、は生きていれば必ず向こうからやってきます。
ということは「身分の高い人物」をうまく使うことで、読者の共感を得られる場面が描ける、ということになってきます。
せっかく登場させるのですから、たとえ脇役でも「身分の高い人物」を生き生きとさせましょう。
身近な目上の人を想像してみてください。
その人にはなにか、口癖がありませんか?
行動や物言いに、特徴はありませんか?
どんなところが好きですか、嫌いですか?
「身分の高い人物」も、ただ「偉い」だけでは面白くありません。
濃いキャラクターづけを、意識してみましょう。
『夜明けの続唱歌』関連の前回の記事はこちらからどうぞ!
『夜明けの続唱歌』については、こちらの記事も合わせてどうぞ!
それでは今回はこのへんで!
最後まで読んでくださってありがとうございます(´ω`)