創作中の物語『夜明けの続唱歌』より。
引き続き2012年の絵です。
魔女を登場させるときにざっくりと知っておくべきこと、について。
(2012,12,22)ベルサリオ・フレッチア
辺境で暮らす魔女。男好きの酒好きで、老いても酒量は減らさない。酔うと口調が変わり、俺、おまえで喋りだす。
魔女のイメージって、どうですか?
この魔女はわりとステレオタイプな外見をしていますが、もともとの魔女というのは、こういったイメージの存在ではなかったようです。
本来的な魔女像
物知りで、薬草などの知識もあり、住民の悩みや困りごとを解決してくれる。
ときには、まじないを用いたり、自作の軟膏を処方したり、決めかねていることについて求められれば助言をすることもあったようです。
現代で置き換えるなら、お悩み解決系のYouTuberといったところでしょうか。
悩みごとを見抜いて指摘し、困りごとの解決策を提示し、おすすめの参考書や資料などを紹介し、ちょっとだけ気持ちを上向きにさせるテクニックを披露することで、人々の気持ちを掴んでいたわけです。
それではなぜ、現在の「魔女がもつイメージ」が定着したのでしょうか。
そこには、宗教の布教活動が関係しているようです。
もしも、新しい宗教に熱心な人が、すでにいる仲間たちと一緒に「新しい宗教を布教しよう」と考えたとき、それがどんな作戦であっても、まず新しい土地に赴いて布教活動をすることになると思います。
ところが赴いた先で、人々は宗教の説明に耳を貸しません。
なぜでしょう。
その土地にはすでに、みなに頼りにされている魔女がいるわけです。
よそからやってきた新しい宗教は必要とされていない。
そこで、わざわざ足を運んだ以上、どうしても布教したいので噂を流すことになります。
「あの魔女は悪いやつで、魔術のために赤子をさらって食べるんだ」
「悪魔と契約しているから、魔術が使えるんだ」
「魔女をみつけたら密告を!」
詳細は、もっと専門的な歴史などをまとめたサイトに譲るとして、ざっくりいうとこんな具合です。
風評被害みたいなものですね。
創作物語で、よくイメージされる「悪い魔女」を登場させる場合は、そういった背景も参考までに知っておくといいかもしれません。
知らずに書くより、現実を下敷きにして手を加えてみるというのも、深みのある人物を生み出すひとつの手段と成り得ると思います。
『夜明けの続唱歌』関連の前回の記事はこちらからどうぞ!
『夜明けの続唱歌』については、こちらの記事も合わせてどうぞ!
それでは今回はこのへんで!
最後まで読んでくださってありがとうございます(´ω`)