創作中の物語『夜明けの続唱歌』より。
引き続き2013年の絵になります。
独自につけた名称は「イメージしやすいかどうか」が大切、についてのお話。
(2013,10,17)アイネ・リンデンソール
月の精霊に仕える娘。
哀切さを湛えた儚げな歌声で聴く者を惹きつける。
『夜明けの続唱歌』の物語では「精霊に仕える精の民」を妖精と呼びます。
それぞれ仕える精霊をもち、月の精霊に仕えるアイネは「月妖(げつよう)」と呼ばれます。
独自の名称などを作中に登場させる場合、
- 人名がカタカナ表記のため、その他の名称は極力漢字を用いる。
- 漢字を用いる場合は特に「読んで字の如し」を意識する。
- その分野に知識がない人でも理解できるような名称が望ましい。
私はこのあたりを意識しています。
『夜明けの続唱歌』は小説が主体となっていますので、基本的には縦書きでの表記となります。
縦書きで、キャラクターの名前以外に、地名国名や動植物、道具や職業名など、もしも多くのものがカタカナ表記で記されていると、とても読みづらい、と私は思います。
縦書きにカタカナって、あまり似合わないと感じるんですよね。
そこでさまざまな名称に漢字を選ぶことになるわけですが、いうなれば造語・オリジナルの熟語ですから、どうしても独りよがりになってしまいがちです。
なんとなくで決めていくと、歯止めが効かないところに迷いこんでしまうかもしれません。
そこで私は、1字ずつ、漢字のもつ意味を調べ、見合ったものを採用するかたちにしています。
私の小説の場合、下は10代から上は60代の方まで読んでくださっているので、どの世代のどんな分野に生きる人が読んでも、意味が通りやすい漢字を選んで、その名前から「イメージしやすい」ように、極力心がけています。
ときには一般的に普段使用しない漢字を選ぶこともありますが、そういった名称でも漢字のもつ意味を考えてみる・調べてみると「ああ、だからこの文字にしたんだな」ということが、ある程度はわかるようになっています。
漢字は1字でも意味をもつことから「表意文字」とも呼ばれます。
その1字の成り立ちの歴史や内包している意味などは、ないがしろにしたくないんですね。
語源や、その名称と決めた由来などを、ひとつひとつ記録しておくことも、まったくの無駄とは思いません。
オリジナルの創作の世界に向き合っていくうえで、その世界にあるものに対して与えた名前の由来を訊かれて「なんとなく決めた」と答えるのって、なんだか無責任なのかもしれない、と感じるところもあります。
草木の名前の一字一句まで、我が子の名のように。
隅々まで、こだわっていきたいですね。
『キャラクターの作り方』については、こちらの記事も合わせてどうぞ!
『夜明けの続唱歌 』については、こちらの記事も合わせてどうぞ!
それでは今回はこのへんで!
最後まで読んでくださってありがとうございます(´ω`)