1996年1月19日は、PlayStation版『ポリスノーツ』の発売日。
映画的手法を取り入れたアドベンチャーゲームとして話題となった作品です。
というわけで今回は
「新たなゲーム領域の開拓作品:ポリスノーツ」についてのお話。
『ポリスノーツ』(POLICENAUTS)
『ポリスノーツ』(POLICENAUTS)は、1994年7月29日にPC-9821用のパソコンソフトとしてリリースされたアドベンチャーゲーム。
以降は各プラットフォームに移植されました。
- 3DO版(1995年9月29日)
- PlayStation版(1996年1月19日)
- セガサターン版(1996年9月13日)など。
21世紀のスペースコロニーを舞台に繰り広げられるSFハードボイルドアドベンチャー。
「映画的演出を導入したアドベンチャーゲーム」という方向性を突き詰めて制作されています。
のちに『METAL GEAR SOLID』シリーズなどで世界的に知られることになるゲームデザイナー、小島秀夫監督作品です。
私がプレイしたのは、知人に借りた3DO版でした。
当時はまだPS版はリリースされておらず、周囲でやったことのある人はいませんでしたね。
『METAL GEAR SOLID』シリーズで小島監督が有名になる前なので、作品自体もまだあまり知られていませんでした。
しばらくは共通の話題にできませんでしたが、夢中で遊んでいた記憶があります。
ポリスノーツとは
ポリスノーツは、人類初の宇宙空間内居住区スペースコロニーの完成にともない、地球からの移住者の治安を守るために選抜された警官たちの総称です。
警官(POLICE=ポリス)と宇宙飛行士(ASTRONAUTS=アストロノーツ)を合わせてPOLICENAUTSと名づけられます。
警官と宇宙飛行士を兼任するエリート集団ですね。
ジョナサン・イングラム
主人公ジョナサン・イングラムは、最初のポリスノーツに選抜された5人のうちの1人。
もとはロス市警の麻薬捜査官で、相棒のエド・ブラウンとともにロス市警の名物刑事として知られていました。
やがて、ポリスノーツの任務中に事故に遭い、コールドスリープ状態で宇宙空間をさまようことになります。
奇跡的に救出されたときには、25年の歳月が流れていました。
さすがに25年も経つと、かつての繋がりはなにも残っていません。
家族も地位も財産も失ってしまったジョナサンは極度の宇宙恐怖症にもかかっており、地球で孤独に暮らすことに。
3年間のリハビリを経て、ロスで探偵業をしつつ細々と暮らしています。
そこに、かつての妻が訪ねてきます。
依頼は「再婚した夫を探してほしい」というもの。
引き受けるには、宇宙に出る必要があります。
それに加え、元妻の再婚相手を探すという、複雑な心境にならざるを得ない依頼。
即断できなかったジョナサンは元妻を帰しますが、彼女は直後、車の爆破により死亡します。
かくして、ジョナサンは真相を知るため、再び宇宙へと向かうのでした。
ジョナサンのモデルは映画『リーサルウェポン』でメル・ギブソンさんが演じた主人公マーティン・リッグスだそうです。髪型などが、そのままですね。
相棒のエド・ブラウンも『リーサルウェポン』のロジャー・マータフがモデルだとか。
すべてを失った先にあるもの
ジョナサンは、空白の25年を経たことで、なにもかも失いました。
現実で同じ経験をする機会はないかもしれませんが「失敗や事故で、なにもかも失う」ということは、起こり得ることです。
創作の視点で考えるなら、創りあげたものが手違いで壊れてしまうこともあるでしょう。
バックアップがなく、書き溜めたデータがゼロになってしまうようなことだってあるかもしれません。
そこで絶望してやめてしまうのか、また新たなものを創るのか。
たとえすべてを失ったと感じても、残るものがあります。
それは「経験」と「知識」です。
創作に限ったことではありませんが、それこそが『財産』なのだと思います。
さまざまなことを試し、自分自身の財産としていきましょう。
『METAL GEAR SOLID』との繋がり
ジョナサンの声優は田中秀幸さん。
『METAL GEAR SOLID』シリーズではスネークの相棒オタコンを演じていますが、本作ではオタコンのイメージとは違い、ハードボイルドな主人公に仕上がっています。
『METAL GEAR SOLID2』では爆弾処理のエキスパート、ピーター・スティルマンを演じています。
『METAL GEAR SOLID4』ではジョナサンとエドという名のキャラクターを、田中秀幸さんと飯塚昭三さんが演じています。
メリル・シルバーバーグ。
『METAL GEAR SOLID』シリーズで同名の人物が登場しますが別人とのこと。
声優は変わらず寺瀬今日子さんが担当されています。
『METAL GEAR SOLID4』では、メリルのチームに上記のジョナサンとエドという名の二人がいます。古くからのファンをニヤリとさせる配役ですね。
そのほかにも多くの声優さんが『METAL GEAR SOLID』にも起用されています。
そういった人と人との繋がりから作品を楽しむことのができるのも、小島監督の作品の特徴のひとつかもしれませんね。
機会があれば、ぜひ遊んでみてください。名作です。
それでは今回はこのへんで!
最後まで読んでくださってありがとうございます(´ω`)