「創作」の視点で人物を洞察するシリーズ。
1972年1月22日は、朴璐美さんの誕生日。
少年役や、芯の強い女性を演じることが多い声優さんですね。
というわけで今回は
「少年を演じる葛藤を超えて:朴璐美」についてのお話。
私にとっての朴璐美さんは『METAL GEAR SOLID PEACE WALKER』で演じられたアマンダ・バレンシアノ・リブレ。
危機に司令官として、声を張りあげて檄を飛ばすシーンが最高に恰好いいんです。
「チコを追う ベンセレーモス(勝つぞ)!」
「女性が飛ばす腹の底からの檄」でこれほど気合の入ったものは、そうそう聞けないですね。
ご主人は同じく声優の山路和弘さん。
私は『ウィッチャー3』のゲラルトの吹き替えで、一番声を聞きました。
『DEATH STRANDING』では、マッツ・ミケルセンさん演じるクリフの吹き替えを担当されています。
「強い女性」だけでなく『鋼の錬金術師』でエドワード・エルリックを演じていたので「少年」の声を担当されるイメージももたれがちな朴璐美さんですが、はじめは戸惑いが大きかったようです。
『∀ガンダム』に出演された際のエピソードが印象的です。
朴璐美さんはヒロイン役のオーディションを受けに行ったのですが、そこで主人公ロラン・セアックの台詞も読まされたそうです。
なんと、そのオーディションが「はじめての少年役」だったとのこと。
収録開始の1週間前に連絡がきて、主人公ロラン役に決まったことがわかります。
『∀ガンダム』の収録現場では「はじめての少年役」を演じることに戸惑いが生じます。
「芝居は真実を映し出すもの。自分とは性別も違う少年を演じるうえで、嘘をつくことなく演じられているのだろうか」と怖さを感じ、つらかったと振り返っています。
叫び声なども不慣れで、声帯疲労によって台詞途中で声が裏返るなど、不甲斐なさに落ちこむ毎日だったそうです。
「朴璐美が喋ればそれがどんな声であろうと、ロランなんだ」
朴璐美さんは、このひと言に救われたそうです。
富野監督は「人の心を見透かす方」なので、自身の葛藤を見抜いたかもしれない、と感じたとのこと。
懸命に努力をしても、うまくいかないことはあります。
自信を喪失して落ちこんでいるときに、すべてを認めてもらえるひと言って、大きいですよね。
チームメンバーの異変を察知して、声をかけてあげられるようなリーダーは、やはり素敵だと思います。
それでは今回はこのへんで!
最後まで読んでくださってありがとうございます(´ω`)