「オリジナリティのある世界観を描きたい!」
- でも、どこかで見たようなものしか思い浮かばない。
- なんとか、同ジャンルのよその作品との差別化をはかりたい。
- 新しい、独創的だ、と思われるためにはどうすればいいんだろう?
というわけで今回は
「オリジナリティのある世界観を描く方法」についてのお話。
引き続き2014年の絵になります。
創作中の物語『夜明けの続唱歌』より。ピシブス。
(2014,08,09)双魚宮ピシブス
双魚宮。星者(せいじゃ)とも呼ばれる、星々の将の一人。
生前は地の民の英雄であったが、死後、智略神フェルーン・デイに調練された。
『星宮の紋』が刻印され、強靭な肉体を与えられている。
オリジナリティあふれる世界観を手に入れるため、いろいろと頭をひねっているけど、なにも思い浮かばないときって、あると思います。
有名な作品を真似たり、神話や使い古された設定から流用するばかりでは「オリジナリティとは呼べない!」と行き詰まっていませんか?
「自分には才能がないから新しいことを考え出すなんて無理なんだ!」そう思って、投げてしまいたくなることもあるでしょう。
しかし本当に、流用がオリジナリティの妨げになるのでしょうか。
結論:流用よりも思考停止のほうがマズい
結論:流用よりも思考停止のほうがマズい!
いきなり結論から入りますが、オリジナリティを大切にするとき「もういいや!」と投げてしまうことが、まず一番の障害となります。
以下に理由をまとめます。
理由:アレンジから生まれるオリジナリティ
まず「完全にオリジナルなもの」って、この世のなかで見つけ出すこと自体、相当困難なことです。
それを忘れて探し続けてしまうようだと、永遠にたどり着けないということにもなりかねません。
先駆者とも呼ばれるような天才的なひらめきをもつ発明家なら、まだまだこれからだと感じているのかもしれませんが、世のなかの多くの人が、おそらくそうではありませんよね。
では改めて「オリジナリティ」ってなんでしょう?
ぶっ飛んだ発想がなければ、オリジナリティとは呼べないのでしょうか。
たとえばファンタジー作品で、主人公が酒場に行ったとします。
- テーブルの上にはビールが並々注がれたジョッキが置かれ、男たちがポーカーを楽しんでいます。
- 暗くなってきたため、マスターがスイッチを入れると、外にある店の看板に明かりが入りました。
- 街灯には、夏の夜らしい蛾が集まっています。
どこかで見たような、よくある風景です。
しかしこれだけの文章でも、オリジナリティを出せるところがたくさん見えます。
逆にこれは「思考停止」して考えることを諦めてしまったパターンかもしれません。
まず、テーブルやビール、ジョッキやポーカー、そしてスイッチで明かりが入る看板に街灯。
作者の身のまわりには、あたりまえにあるものです。
しかしファンタジー世界では「誰が作ったのか?」「誰が発明したのか?」「電気があるのか?」「どうやってインフラ整備がなされたのか?」と、いろいろと確認や取り決めが必要となるようなものばかりです。
これらを「自分の世界観に合ったもの」に置き換えてみるだけでも、自然とオリジナリティは出てきます。
ビール以外の人気のお酒を考えてもいいでしょう。
ポーカー以外の、べつのカードゲームを考えてもいいでしょう。
便利な点灯スイッチがあるのなら、どういう光源なのかを考えてもいいでしょう。
完全にオリジナルなものでなくても、作者の好みが反映された、珍しい光景に変えることができるはずです。
そして夏という季節の描き方。
これも作者の身のまわりに、あたりまえにある光景です。
しかし現実の世界をみても「夏の夜らしい」というのは世界各地でさまざまに異なった捉え方をされているものです。
世界中に「変わった祭」があることからもわかるように、季節の風物詩というものも、それぞれの土地の特色を表す事柄と成り得るわけです。
ですから、この例文で主人公が訪れた酒場の「夏らしさ」が、作者が感じる現実のものとは違う可能性がある、ということも考えてみる必要があります。
もちろん「現実と似通ったもの」が悪いわけではありません。
創作において重要なのは、アナタの創る物語の「世界に合っているのか」ということです。
オリジナリティは、そういった細かなこだわりの積み重ねから、作品全体に広がっていくものだともいえます。
安易に流用してしまえば当然「パクリだ」「設定が似てる」と騒がれることになります。
しかし、先述したように「完全にオリジナルなもの」って、入手困難なんです。希少価値が高く、どこに行っても現物を見ることができないような代物です。
でも、創作者はオリジナリティがほしいわけですよね。
そこで、アレンジという手段が出てきます。
もちろん、ほとんどそのまま使うのではアレンジとは呼べません。
すでに世のなかにあるものを、自分なりの解釈で、自分の世界観に合うように調整するのです。
「オリジナリティ」というのは、ありふれたもののなかに「自分なりの解釈」を見出すこと。
やり方次第で、そこには「無限の可能性」が眠っています。
大切なのは「完全にオリジナルなもの」が手に入らないからといって「もういいや!」と思考停止し、ありふれた世界観をそのまま利用することに、慣れきってしまわないことです。
疑問を抱かずに、適当に借りてきたもので創られた世界は、どこまで読み進めても「どこかで見たようなありふれた世界」です。
「オリジナリティ」がほしければ、そこから一歩踏み出しましょう。
結果:まとめ
- ありふれたもののなかに自分なりの解釈を見出すことでオリジナリティが生まれる。
- 作者の周囲にあるものが、創作した世界にもあたりまえにあるわけではない。
- 疑問をもって問い続ける、思考することを放棄しないこと。
問い続ければ、ふとした瞬間に道が拓けるときがあります。
投げ出さず、思考停止せずに続けましょう。
アナタの世界観に合った「オリジナリティ」を手に入れるのです。
『オリジナリティを育てる方法』については、こちらの記事も合わせてどうぞ!
『キャラクターの特徴づけ』については、こちらの記事も参考にしてみてください!
それでは今回はこのへんで!
最後まで読んでくださってありがとうございます(´ω`)