創作中の物語『夜明けの続唱歌』より。
引き続き2014年の絵になります。
「キャラクターの性格に『理由』を与えよう」についてのお話。
(2014,05,10)イルダ・イブラーボ
他者を幻惑し、自身の駒として動かすことに長ける魔女。
自由奔放で、周囲を困らせるようなことをあえてやるようなところがある。
ヨランダ・イブラーボという兄がいるが、こちらは対照的で冷静沈着な紳士。
キャラクターに「突出した性格」を与えるとき、その背景を考えてみることで、説得力や、その性格になるべくしてなったという「必然性」を得られる場合があります。
思いつきで突き進んでもいいのですが「なんでこんな性格になったの?」と疑問を抱かれたときに、そこに「必然性」があるのとないのとでは、大きな差が生じてくるのです。
このイルダというキャラクターの場合は「悪女」と呼ばれてしまうような奔放な振る舞いで、たびたび周囲を振りまわします。
目的のためなら手段は選ばない、というタイプですね。
奔放すぎる性格ゆえに、当然トラブルを呼びこみます。
それでも、反省して改めたりはせず、その後も繰り返します。
その背景にあるのは、いつも冷静で紳士的な姿勢を崩さない兄、ヨランダの存在。
彼女がやりたい放題にできるのは「最終的には絶対に味方になってくれるはず」と思っている兄がいるからです。
そして「あえて周囲が困るようなことをやる」のは、兄への歪んだ愛情表現。
つまり、兄に「かまってほしい」わけですね。
怒られるとわかっていて、というより心のどこかでは「怒られたくて」いたずらをする子供のようなものです。
ちょっとしたことですが、そういった「理由」が背景にあるかどうかで、キャラクターの性格、そこに潜んでいる強みや弱みも、よりリアリティを含めて描けるようになるはずです。
環境や周囲の人物との関係性から、よりはっきりとした性格が見えてくることもあります。
ぜひ、思いつきで与えた性格に「必然性」を与えられないか、一度考えてみてください。
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それでは今回はこのへんで!
最後まで読んでくださってありがとうございます(´ω`)