創作中の物語『夜明けの続唱歌』より。
引き続き2013年の絵になります。
作品に亜人や幻獣を登場させるならコレにも気をつけよう、についてのお話。
(2013,05,20)ユーミィ・ゴート
精の民。
森で出会ったナオト・ゴートと夫婦となる。
精の民の言葉の名残りなのか、独特の訛りが抜けないが、さして気にしてはいない。
ファンタジー作品において、異種族を登場させるのは、もはや醍醐味のようになっていますよね。
『指輪物語』(J・R・R・トールキン)で活躍したホビットやドワーフ、そしていまや当然のように、あらゆるファンタジー作品に登場するエルフなど、神話や民話あたりから連れてこられたさまざまな亜人、幻獣が登場します。
テーブルトークからテレビゲームへと受け継がれたRPG(ロールプレイングゲーム)でも、世界中の幻獣が採用されては、アレンジされて登場してきました。アレンジした姿が定番化していった幻獣も少なくないようですね。
そんな異種族のキャラクターを登場させる場合も、やはり手当り次第というわけにはいかないものです。
異種族にも歴史がある
まず種族には、それぞれの歴史があります。
歴史があるということは、異種族が積極的に手を取り合っているばかりではない、ということです。
いまは平穏でも、過去には戦などもあったかもしれません。
異種族同士の戦もあれば、場合によっては内紛のような歴史ももっているのかもしれません。
どんな歴史をもち、どのようにして対処し、そしていまに至るのか。
そこを考えておくと、あとになってブレた印象の種族になることを防ぐ手立てにはなります。
異種族の特徴とはなにか
次には、それぞれのもつ特徴です。
こんな外見で、不思議な力、超人的な能力をもっているから亜人なんだ、と宣言したいものですが、さて、考えるのはそれだけでいいのでしょうか。
その外見になった理由はなにかあるでしょうか。
たとえば指が異様に長い人種がいたとしましょう。彼らが普通に生活していて不便があるようなら、長い歴史のなかで自然と淘汰されて消えていく可能性だってあります。
どうやって生活してるんですか?
という見た目の亜人なんて、出落ちみたいなものです。外見からあまりに説得力に欠けると、読者は鼻白んでしまうでしょう。
不思議な力も、注意が必要です。
極端に有能な種族が登場してしまうと、パワーバランスが崩れてしまい歴史が書き換わってしまうかもしれません。
種族のもつ歴史の話とも関わってきますが「じゃんけん」のように、この種族相手には強く、こことは対等。でもこの種族には勝てない。といったバランスで登場するのが一番無理がないように思います。
そこを作品内で描かないにしても、設定面でルールや背景があれば、しっかりとした背骨となります。
そこから「民族性」とも呼べるような特徴が備わってくるものだと思います。
個々が違うことは当然ですが、その種族ならではの感覚というものも、少なからずあるとは思います。
客観的に見たときも「日本人はこういうイメージ」「アメリカ人はこういう印象」といったように、ざっくりと思い描くものがあると思います。それはそのまま個々にあてはめるとまったく違っていたりもしますが、多くの人が抱きやすいことでもあるので、例に習って一度考えてみることは必要だと思います。
「人間とは違った外観で、不思議な力をもつ」ことだけで、異種族を描いた気になるのはもったいないです。
そこに、歴史や無理のない特徴をつけ加え、より魅力的な異種族を描いていきたいですね。
『オリジナリティを育てる方法』については、こちらの記事からどうぞ!
『夜明けの続唱歌』関連の前回の記事はこちらからどうぞ!
『夜明けの続唱歌』については、こちらの記事も合わせてどうぞ!
それでは今回はこのへんで!
最後まで読んでくださってありがとうございます(´ω`)