創作中の物語『夜明けの続唱歌』より。
引き続き2013年の絵になります。
知人をモデルにした人物を登場させる理由、についてのお話。
(2013,09,02)セニベラディーリ夫妻
体術と棒術の達人。
弟子はほとんどとらず、天稟のある者にだけ稽古をつける。
肩にとまる梟はオウェルと呼ばれる。
素界、異界、幻界、占術(せんじゅつ)を探求する、ベスタルド・セニベラディーリの妻。
占術師として広く名を知られている。
いつもそばにいる猫は「ガタピシ」という名がついているが、夫妻は揃って「ミーコ」と呼ぶ。
以前の記事でも書きましたが「身近な人を登場人物のモデルにする」と、それがよく知っている相手であればあるほど、深みのあるキャラクターが描きやすくなり、その「モデルありきの人物」のもつ存在感に、ほかの登場人物・脇役たちが遜色ないレベルで追従することが意識できれば『作品全体の登場人物を濃く底上げするひとつの指標』とすることができます。
この夫妻は、知人の老夫婦でした。
絵を描いた当時はご存命でしたが、ご主人が先に亡くなり、奥様のほうも今年、亡くなられました。猫のガタピシちゃんも、みんな虹の橋の向こうへ。
いろいろと苦労されたご夫婦だったそうですが、いつもニコニコと明るかったのが印象的でした。
こちらは、依頼で描いた似顔絵です。
屈託のない、素敵な笑顔ですね。
身近な人を作品の登場人物にしてみてはどうか、というのはこのころ思いついた試みだったのですが、結局のところ、この方の曾孫さんまで、四世代に渡ってモデルにしたキャラクターが生まれました。
作品内でも、血縁者です。脇役でも、なかにははじめから需要な役割を担う人もいます。
創作物語のなかに「知っている人だけが気づく要素」をこっそり入れることも、ちょっとした楽しみになったります。口癖だったり、服装の好みだったり。
そういった部分も、客観的に見ればキャラクターの味になったりするわけです。
今回のケースでひとつ挙げるならば、フクロウですね。
ご主人のほうは後年、端切れ布を使って「お手玉」のような「フクロウのぬいぐるみ」を作り、さまざまな施設などに寄付していました。
もちろんご本人を知らない人にとっては「肩にとまる梟」もひとつの要素でしかないわけですが、そういった現実と繋がる要素というものに、作者は物語を書きながら心のどこかで、ちょっぴりワクワクするわけです。
モチベーション維持に悩んでいる方は、そういったことも試してみてはいかがでしょうか。
当然ですが、本人の許可を得ずに「嫌な役」をやらせることは避けましょうね。
間接的にとはいえ、作品に対して力を借りるわけですから、敬意を払うことを忘れてはいけません。
『キャラクターの特徴づけ』については、こちらの記事も参考にしてみてください!
『キャラクターの作り方』については、こちらの記事も合わせてどうぞ!
『夜明けの続唱歌』については、こちらの記事も合わせてどうぞ!
それでは今回はこのへんで!
最後まで読んでくださってありがとうございます(´ω`)