というわけで今回は
「固定概念に縛られない柔軟さ:海腹川背」についてのお話。
海腹川背
主人公は「海腹川背」(うみはらかわせ)という名の女の子。
日本全国を放浪する流しの板前で、名前の由来は板前が口にする「海魚は腹に、川魚は背に脂がのっている」という言葉にちなむ。
ルアーつきのゴムロープを投げて、壁や天井に引っ掛けながら、ゴムの伸縮を利用して進んでいくアクションゲームです。
ゴールであるドアを目指して進んでいくという、そこだけ聞くとオーソドックスな面クリア型なのですが、そこに「ゴムの伸縮」が加わることで、そのゲーム性は単純なものではなくなっています。
自由度は高いです。
どの位置を狙ってルアーを引っ掛けてジャンプするか、効率のよい渡り方はないか、などと最適解を探して何度もプレイするうちに、タイムアタックが盛りあがっていきます。
そういう意味では、パズル的な要素もあるといえます。
「釣り」をテーマにしたゲームはたくさんありますが、このアプローチは新鮮でしたね。
引っ掛けてブラブラする感じが楽しくて、ついつい時間を忘れて「あと1面」「あと1面」……と続けてしまうような中毒性がありました。
のちにシリーズ化しましたが、私の友人はどハマリして、取り憑かれたように一時期そればかりやっていました(笑
そういったやりこみ要素や、中毒性のある操作感もあって、多くのファンを獲得したようです。
発売当時は、無名のメーカーによる変わったアクションゲーム、ということもあってか出荷本数が少なかったそうで、いざ話題になったときにはソフトが手に入らない、という状況になったりもしていました。
固定概念に縛られない
この作品がヒットしたのは、やはり第一にその発想の柔軟性でしょう。
最初に「なんだこれ?」と思わせて興味を惹き「面白さ」を見事に提案しています。
これが単に「ルアーが武器」で、それを使って敵を倒しながら進んでいく横スクロールのアクションゲームだったとしたら、シリーズ化するほどのヒット作にはなっていなかったのではないかと思います。
そこには「固定概念」に縛られない柔軟さと、グッと力を秘めて一気に躍動する、まさに『ゴムの伸縮』的な力が働いたのではないでしょうか。
身のまわりのものを、違ったかたちで活かす方法がないか考える。
そこに、モノづくりの基本的な考え方を感じとることができます。
ひとつの考えに縛られず、柔軟に伸び縮みする発想をもち続けていたいと思います。
それでは今回はこのへんで!
最後まで読んでくださってありがとうございます(´ω`)