1892年1月3日は『ホビットの冒険』『指輪物語』の著者として知られる J・R・R・トールキンさんの誕生日。
というわけで今回は
「指輪物語:先駆者の生み出したもの」についてのお話。
(2021,01,03)J・R・R・トールキン
作者であるジョン・ロナルド・ロウエル・トールキンは、言語学者でした。
1930年代、オックスフォード大学ペンブローク・カレッジで、教授として答案の採点をしていた彼は、白紙の答案にいきあたりました。
そこでなにをしたかというと、一節の文を書きつけます。
地面の穴のなかに、一人のホビットが住んでいました。
ファンタジー小説という未開の地を開拓した『ホビット』は、こうして生まれたといいます。
もちろん、いきなりホビットが生まれたわけではありません。
当時のトールキンは、イギリス最古の英雄譚『ベーオウルフ』の研究をしていました。
そして自宅では、子供たちを寝かしつけるために「空想世界の即興物語」を話していたそうです。
話しながら、それまでに彼が生きてきた時代の環境や風景と合わさり、空想世界がかたちづくられていったのでしょう。
その積み重ねが、トールキンの生み出した『中つ国』の基礎を築いていったわけですね。
ジャンルの先駆者
現在ではテンプレート化しているともいえる「剣と魔法が登場するファンタジー」というジャンルは、こうして生まれました。
『指輪物語』が世界的にヒットしたことで、ひとつの概念となったともいえるでしょう。
その後、小説や漫画や映画、そしてゲームに至るまで、トールキン作品の「文化的遺伝子」を受け継いだ創作物が、生まれ続けてきました。
そして長い年月のうちに、トールキン作品は古典となり、多くの人が触れる機会を失ってしまいます。
しかし、そのまま消えはしませんでした。
映画『ロード・オブ・ザ・リング』3部作のヒットです。
(2015,01,03)レゴラス
レゴラスは映画『ロード・オブ・ザ・リング』でオーランド・ブルームさんが演じた登場人物です。そのいかにもエルフといった姿で、人気のキャラクターとなりました。
この映画のヒットにより、古典となっていたファンタジー作品は、より堅固な「原典」として、再認識されることになりました。
そこには、多くの学ぶべき点があります。
原典・古典を知ることは、創作をするうえでも非常に有効です。
さらにトールキンは「言語学者」という立場で、空想世界を生み出しています。
そのため、地盤がしっかりしている、と考えることもできるでしょう。
なにも知らない人が思いつくものとは、説得力が違ってくるわけです。
そんなJ・R・R・トールキンが生み出した空想世界を知ることは、創作の基礎を学ぶことにも繋がります。
『ホビットの冒険』や『指輪物語』のような空想世界にはどういった要素が必要で、どんなかたちで構築されているのか。
力強く堅固な原典を知ることで、アナタの空想世界にも、いまよりもっと説得力や、息づくような世界の姿を与えることができるはずです。
映画が入口でもいいので、一度はその原典に触れてみましょう。
思いつきで生まれた世界が、どのように存在し続けてきたのか知ることが、大きな一歩に繋がると思います。
それでは今回はこのへんで!
最後まで読んでくださってありがとうございます(´ω`)