先月、創作物語の小説、文庫本が完成しました。
今回はその写真をお届けします。
小説 文庫本
『夜明けの続唱歌』1巻、2巻は挿絵の色味の調整。
『Maria-癒し手を継ぐ者-』短篇は、新規です。
毎回、本文を書き終えたときではなく、文庫本が完成したときが「完成」だと感じます。実際には、そこから誰かに読んでもらってはじめて『本当の完成』ですけどね。
自主制作なので市販の文庫本に比べるとかなり高額ですが、それでも手にとれる本のかたちが好きなので、こだわってやっています。
色味の確認
最初に文庫本を作ったときの挿絵は、こういう塗り方をしていました。
もとの画像はこんな感じです。
印刷時に使用する用紙の影響を受けて、そのままの色味にならないことは理解していましたので、この画像から彩度を下げたり調整をしてから、入稿しました。
それでも想定よりは濃く仕上がってきましたね。
1巻はこのかたちで1度完成させたのですが、文庫本となって手もとに届いたときに感じた「なにか違うな」がずっと引っかかっていました。
きっと、小説の挿絵としては、印象が強すぎたんですね。
市販の小説は、挿絵があっても白黒の場合がほとんどです。
コスト面のこともあるのだろうとは思いますが、ほかにも事情があるのかもしれませんね。
世界観というのは、色に結構左右されるものだと思います。
挿絵に強い色が使われていると、なにか作品の雰囲気と違うと感じてしまったのは、作者だからなのかもしれません。
2巻を作るときは、挿絵の塗り方自体を変えました。
セピア調で、ファンタジー小説にもよく合うような印象になったと思います。
しかしこのままではやはり印刷時に濃くなることは想定していたので、前回の画像がどれくらい用紙の影響を受けて色が変わっているのかを、さまざまに調整して確認しました。
ここからさらに、色の調整を行いました。
2巻は、すべてその調整をしたうえで、入稿しました。
ところが、完成品ではやはりイメージ通りの色味には、なっていませんでした。
私の想定よりも、黄色味が強かったんですね。
許容範囲ではあるのですが、やはり「ちょっと違うな」と感じました。
そして今回。
1巻と2巻の挿絵も、再度調整しました。
短篇のほうも、もちろんそれに合わせて調整します。
ところが、準備が済んで入稿予約をする段階になって、前回まで私が選択していた用紙が終売になっており、違う用紙を選択せざるを得ないことが判明します。
用紙1枚の厚さが変われば、当然ながら本全体の厚さが変わります。
表紙、カバー、帯は、背幅に合わせて作成するので、再調整です。
ミリ単位の調整なので、神経を使います。
1度終わらせていた作業だったので、これがなかなかしんどかったですね。
「思った色にならなくても、もうやり直しはせずに次の作品に向かおう」
と思って、覚悟を決めて入稿しました。
色味の調整を繰り返していることを、お世話になっている印刷所にお伝えしたところ、用紙の影響を受けることはもちろん、用紙ごとによっても多少のバラつきがあること(同じ種類の紙でも、完全に均一なわけではない)、印刷するタイミングのインクの状態なども影響があること、新しい用紙の様子なども、丁寧に教えてくださいました。
やれることはやった、という心境でしたね。
完成した色味調整版
結論からいうと、今回はようやく「想定していた範囲内の色」で仕上がりました!
このセピア調です。
もう一度、最初の色↓を見てみると、世界観がだいぶ違って見えます。
そのほかのページも、いい感じです。
続けて2巻も確認。
以前はこういう黄色味の強い感じでした。
それが今回はこうです。
巻末に添えた資料も、文字の大きさを変更するなど、より読みやすさを考慮しました。
短篇も確認。
非売品ですが、お世話になっている方から事前にご要望を頂いていたので、1部ずつご購入頂くことに。
完成を迎えて
諦めずに、調整をしてよかった~と思いました。
世界観を左右する部分だったので、ずっと気になっていましたからね。
親や知人など、要望のあった方にお渡しして、ついに完成です。
現在は『夜明けの続唱歌』3巻のルビ振りを進めています。
これがまた、ソフトの処理が重くて時間がかかるので、なかなか進みません。
4巻の登場人物を描き進めながら、並行してやっていってます。
早く続きの物語を書きたいのですが、個人制作の弱いトコロですね。
めげずにこれからも頑張ります。
それでは今回はこのへんで!
最後まで読んでくださってありがとうございます(´ω`)