「フィギュアスケート選手の衣装って個性が出るよね」
演目のテーマや選曲に合わせた装いで、ときに情熱的に、ときに可憐に、といった具合に選ばれるのでしょう。
いずれの衣装でも「その人らしさ」というものがどこかに感じられたりもします。
というわけで今回は
「フィギュアスケートに見るキャラクターの衣装」についてのお話。
(2015,01,06)エレーナ・イーゴレヴナ・ラジオノワ
1999年1月6日はフィギュアスケート選手、エレーナ・イーゴレヴナ・ラジオノワさんの誕生日。
ロシア・モスクワ出身で、フランスや日本が好きだそうですね。
浅田真央さんのことも憧れの選手の一人として、その名を挙げているそうです。
私の母はフィギュアスケートが好きで、ラジオノワさんの名はおもに母の口から聞くことが多かったように思います。
さて、このイラストにも描いた衣装ですが、当時は『ファイナルファンタジーVI』の登場人物であるティナに似ている、などと言われていました。
天野喜孝さんによるイラストのティナですね。
金色の頭髪を束ねあげ、装飾の施された赤い布に、肩の出たデザインの衣装。
確かに、パッと見た印象はよく似ています。
とはいえ、そっくりだと騒ぎ立てるほど特別似通っているわけでもありません。
『ファイナルファンタジーVI』がスーパーファミコンで発売されたのは1994年。
話題作で、なおかつ根強いファンのいる作品ではあるものの、ラジオノワさんがこの衣装をまとった2013年当時「似ている」とすぐさま噂になるには、すでにいささか古い作品だったことがわかります。
それでも、すぐに多くの人が連想するほど「ティナ」の印象は強かったわけですね。
ちなみにFF6のゲーム本編では、ティナのこの全身像を眼にすることはありません。
天野喜孝さんのイメージイラストでのみ見ることができるデザインです。
そこにはやはりキャラクターの個性を活かす衣装であることが前提としてあるのだと思います。
FF6は群像劇スタイルで、特定の一人を主人公として操作するのではなく、さまざまなキャラクターを操作しながらプレイするスタイルでした。
十名以上いるパーティメンバーのなかでも、ティナのイメージカラーは「赤」だったと感じます。最初に出会うロックの場合は「青」でしょうね。
ティナは繊細で傷つきやすいのですが、強い慈愛の心をもっています。
そして、実際のゲーム画面ではドット絵によるキャラクターを操作することになります。
イメージカラーは、キャラの判別、描き分けにも有効に働くわけですが、多くの人がティナのイメージイラストを記憶に留めていたのは、そのイメージとキャラクターが、ぴったりと合致していたからなのだと思います。
創作キャラに衣装をまとわせる場合、イメージカラーは意識していますか?
「○○レンジャー」のような明確な色分けでなくても、ひとつの作品内で、キャラ別に競合しないイメージカラーを与えると、キャラクターの描き分けがやりやすくなることもあります。
色にはさまざまな役割があります。
表現したいものを、より効果的に伝えることもできるかもしれません。
意識してうまく使うことで、キャラクターをより魅力的に描くこともできるはずです。
次にフィギュアスケートを見るときは、その衣装にも注目してみてください。
彼らの衣装は、それ自体も「表現」のひとつです。
学ぶべきところは多くあると思います。
それでは今回はこのへんで!
最後まで読んでくださってありがとうございます(´ω`)