「イメージする羊はいるけど1種類だけの人」
- 羊ってもこもこした毛で覆われてるアレしか思い浮かばない。
- 白や黒、角があったりなかったりするよね。
- 実際にはいろんな羊がいるの?
というわけで今回は
「羊にも種類はさまざま」についてのお話。
(2015,01,01)羊唄
『羊』とひと口に言っても、それぞれイメージする姿がありますよね。
大抵はボリューミーな羊毛に覆われた姿で、冒頭でも触れたように、巻いた角があるかないか、くらいの違いで思い浮かべるのではないでしょうか。
実は世界には、多種多様なさまざまな種類の羊の仲間がいます。
野生では、砂漠に生きる種や、山岳地帯のような過酷とも思える環境に適応した、その土地固有の種がいます。
家畜用では、毛用種、肉用種、乳用種に大別されます。
代表的なのは「メリノ種」。
多くの品種は毛用、肉用、乳用を兼用しています。
この羊は「コリデール種」です。
イギリスの長毛種を交配して作られた、ニュージーランド原産の毛肉兼用種。
コリデール種の特徴としては、
- 顔や四肢などが白い。
- 長毛。
- 角がない。
こういったところが挙げられます。
日本人が一番イメージしやすい羊かもしれませんね。
それには理由があります。
コリデール種が、日本でもっとも多く飼育された品種、だからです。
基本的に冷涼な気候を好む羊ですが、このコリデール種は適応性に富んでいて、世界中に広まりました。
温暖湿潤な日本の環境にも適応できたため、かつて日本で主流となったわけです。
毛肉兼用種ではあるものの、戦前の日本ではおもに羊毛用に飼育されており、100万頭近く飼育されていたということです。
そんな日本国内のコリデール種ですが、現在は1万頭弱にまで減少しています。
その理由は……
- 羊毛の輸入量が増加した。
- 毛織物産業において化学繊維が発達した。
こういったところにあるようです。
創作における羊
作品に羊を登場させる場合に留意しておくべきなのは、やはりその地域性です。
コリデール種は世界中に適応できる種ですが、そうではない羊も少なくありません。
たとえば物語舞台が砂漠の場合に、そこに適応しない種が多く棲息していると、不自然な風景になります。
需要のある用途でも考慮すべきですね。
羊肉を多く消費する地域で、毛用種のみを飼育しているのも不自然です。
羊毛を大量に交易品として利用しているのに、乳用種のみを飼育するのもおかしなことになります。
そしてコリデール種だけではなく、家畜化している羊の多くは、人間の需要に合わせてその数を増やしたり減らしたりします。
都合のいい話ですが、必要とされていないのに、多くの羊が飼育されているのは、やはり不自然な光景となってしまうわけですね。
創作ですから、専門家のようにすべての品種に通じることは必要ないかと思います。
創作世界オリジナルの品種が登場するのもいいでしょう。
しかし登場させる場合に、現実ではどういった種や特徴をもつ羊がいて、どのようなかたちで人間に必要とされ家畜化されているのか、ということを知っておくことは、とても大切です。
(2015,01,01)絵師十二年進化録 十二支
余談ですが、今回のイラストの羊は、2015年「未年」の年賀状用に描いたものです。
2004年「申年」から「きちんと干支を描こう」と決めて毎年描き続け、12年かけてようやくひとまわりした、締めの1頭でした。
イラストコミュニケーションサービス『pixiv』で以前流行った企画で『絵師一年進化録』というものがありました。
これはそのテンプレートをお借りして作ったのですが、アレンジして『十二年進化録』となっています。
「 創作に登場させた動物を活躍させる方法」について書いた記事はこちらから!
picoblog.hateblo.jp
それでは今回はこのへんで!
最後まで読んでくださってありがとうございます(´ω`)